夕飯時いつものように「なんか今日いいことあった?」と聞く私に、珍しく三男が顔を曇らせた。どうした? と聞くと、朝の登校班で嫌なことがあったという。
今週は、次男は音楽会の朝練のため、登校班とは別に早めに登校。昨日も三男は1人で家を出た。集合時間ギリギリに家を出た三男は、急いで駆け足で集合場所に向かう。
その急ぐ姿が、おかしかったのかもしれない。先に来ていた隣の班の六年生の班長が、走ってきた三男に足をかけた。
ま、当然、転ぶよね。
足をかけられたところが四つ角だったこともあり、一つ間違えば事故にもつながる。でも、幸い三男はステンと転んだだけ。怪我も事故もなくすんだ。
よかったよ、ホントに。
三男に聞く。「隣の班の六年生に『やめて』と言ったの?」首を横に降る三男。何も言わなかったらしい。相手が六年生だから言えなかったんだそうだ。
で、もう一つ聞く。「その様子、旗当番のお母さんやほかのみんなは見てたの?」「見てたよ。みんな、大丈夫?って心配してくれた」と三男。でも、その足をかけた班長にはだれも何も注意をしなかったそうだ。
三男には、もしまた同じことをされたら、今度はきちんと「やめろ」と自分で言いなさいと告げた。で、走らなくてもすむように早く家を出なさいと付け加える。
そして今朝。少し気になったので、私からはその六年生には何にも言わないという約束で、三男と一緒に集合場所まで行ってきた。すると、その隣の班の六年生はまだ来ていない。
隣の班の旗当番のお母さんが、私に気づく。さっそく私に昨日のことを報告してくれた。周りの子たちもそれをじっと聞いている。
息子たちの班の旗当番のお母さんも駆け寄ってきた。離れたところからその様子は見ていたそうだ。同じように三男を心配してくれた。
ご心配ありがとうね。もし、同じことがあったら、私が何か言うこともあるかもしれないけど、とりあえず、その場にいなかったので、あとは本人に任せるわ。よろしくお願いします。
そう言ってその場をあとにした。するとすれ違いざまに件の六年生がやってきた。
私はその子の名前をよび、おはようと大きな声をかける。彼は知らんぷりで傘を振り回しながら、学校へと向かっていった。
彼はいつもこんな調子だ。誰に対しても、自分の気分次第でちょっかいを出したり、荷物が重いからといって、平気で自分の二年生の小さな妹に荷物を持たせたりもする。
そんな現場に出くわすたびに、私は、その子に声をかけてきた。でも彼は、何もなかったようにスルーする。いつもだ。
その子のお母さんは、そういう現場に居合わせても、相手の子には謝るが、自分の子を叱らない。
周囲も半ばあきらめているのか、よそのお母さんもほとんどの人が見て見ぬふりだ。子どもが悪いことしたら叱って正すのは大人の役目だと思う。自分の子でもそうでなくても。違うかね。可哀想なのは、そのまま大人になるその子だと思うけどな。おせっかいかね。そんなことを思いながら出勤する朝。
とても、ひゃっほう♪ とは言えない気分。
まあ、いいや。今週もラスト一日!
今日もがんばっていくぜ(`_´)ゞ