梅雨どきは、たまらなく眠い。
今日行った病院でのこと。子どもにせがまれて読み聞かせをしているお母さんが、時折うつらうつらしていた。わかるなぁ、疲れてんだよなぁ…。お母さん、がんばれ…と思わず心の中でつぶやいてしまう。
気を失いかけながら読んだことなら、私だって何度もある。「お母さん、お母さん」と子どもに揺すられたことも一度や二度じゃない…σ^_^;。
そんな思いにふけっていたら、一冊の絵本のことをふと思い出した。
『とらのゆめ』タイガー立石/さく・え/福音館書店/だ。
「ねむいねむい」と眠りについたとらのとらきちが、夢の中を歩いていく。だまし絵のような不思議な空間と景色。その中をとらきちは「ぐうぐうぐう」と言いながら、浮くように、はずむように歩いていく。ただそれだけだ。
寝る前のひとときの読み聞かせ。とらきちの夢の中は、ふわふわとやわらかかと思えば、ぴんとはりつめた空気も漂うシュールな世界。タイガー立石さんが描く「とらきちの不思議な夢」に子どもはぐんぐんとひきこまれていく。
疲れて眠くて(親のほうが)ばたんきゅうの日。そんな日の秘密兵器が「とらのゆめ」だったのだ。とらきちの夢にあわせて「ぐうぐうぐう」…意識を失いかけながら、かろうじて母は言葉を拾い、つなげていく。そんな母の声も「とらのゆめ」では許される気がした。子どもも絶妙に眠りに誘われる。我が家の隠れたロングセラーだった。「ぐうぐうぐう」といえば、とらきち。
疲れた夜の読み聞かせは『とらのゆめ』で、決まり! ぜひぜひオススメで、ひゃっほうだぜ♪