長男が六年生だったときの担任の先生に、偶然、会った。とてもお世話になった先生だ。
ズボラでいい加減。気持ちの波が激しい。好きなことには熱中するが、それ以外は驚くほどマイペース。口が達者で、妙に大人ぶっているかと思えば、ときに幼稚でやんちゃな小学校時代の長男。担任の先生には面白がってもらえるか、かなり嫌われるかのいずれか。小学校では、私もずいぶんと頭を下げてきた。
学校で頭を下げる機会が多いのは、中学になった今も相変わらずだけど、それでも長男のいいところを見て評価してくださる先生も、少なからずいる。小学校六年時の担任は、その数少ない先生のうちの1人だ。
その先生と長男が久しぶりに会ったという。先生がおっしゃるには、長男はとても元気そうに中学での生活や部活のことを話したそうだ。その姿が頼もしく、嬉しかったと先生は言ってくださった。
家では不機嫌そうにしていることが多く、私にも生意気なことばかりを口にする15歳の長男。この秋に引退した中学の部活では、顧問の先生にかなり目をつけられて、苦しかった時期もあったようだ。それでも長男は、部活のこともしっかりと恩師に彼なりの言葉で伝えていたらしい。
しばらくそんな立ち話をした後で、私は最後に「先生、長男は先生に胸を張れていましたか?」と尋ねた。
「もちろん、しっかりと胸を張れてましたよ。お母さん、奴なら大丈夫です」と言ってくださった。
先生には私の不安な気持ちなど、お見通しなのだろう。「それを聞いて本当に安心しました。よかったです。ありがとうございます」私はそう言うと、少し胸が苦しくなる。精一杯の気持ちで、ぺこりと頭を深く下げた。
15歳ともなれば、親の目の届かないところで、成長しているんだと信じるしかない。口うるさい親から脱却せねばと改めて思う。日々のあれこれをクヨクヨしたってしかたないのだ。思春期の「話しかけてくれるな。うるせえな」的オーラは、成長の証なんだと信じよう。
先生! ありがとう。「奴なら大丈夫…」私もそう信じておりますです!
ビバ、長男! この気持ちよ、いつかは届け! ひゃっほうだぜT_T♪