2週続けて雪の週末。いつもの草野球ができない父と子は、将棋をパチパチと始めた。
三男は、あーだこーだ言いながら、賑やかに駒をすすめる。で、迎え撃つ嬉しそうなダンナ。負けそうな振りをして、最後にそうはいくかと悔しがらせたり。随分強くなったとなだめすかしたり…楽しそうな2人。
で、次男。ダンナに作った酒の肴をどさくさまぎれにちょこちょこつまみながら、どうやら真剣勝負の模様。静かなのは、じつは結構マジにダンナが考えてる証拠。随分長いことかかった末に、ダンナが勝利した。
「危ない、危ない。父ちゃん危うく負けるところだったよ…」と言うダンナ。で、照れたように笑う次男。
そのとき、様子が変だなと思った。あんなに悔しがりの次男が、全然悔しがっていないのだ…まぁ、そんなに盛り上がってなかったのかな…なんて思いながら夕飯の支度にかかった。
そして、翌朝。子どもたちがみんな学校にでかけてからのこと。ダンナが私に「どうでもいいことなんだけどさ…」となにやら真面目に話し始めた。「昨日の将棋、次男はわざと負けたんじゃないかと思うんだ」と。思い返せば、明らかに手を抜いた一手があったんだとか…。「なんか、いよいよかと思ったよ」と、ショックを隠せない様子。
あぁ、やっぱりそうか。次男のやりそうなことだ。お父さんにわざと負けたんだな…そう確信した私。負けて悔しがっていなかった次男の顔を思い出し、妙に合点がいったのだ。
ひとつひとつ、こうして子どもは親を追い越していく。それが嬉しいことでもあり、ちょっぴりさみしいことでもあり…。珍しく、ダンナの気持ちに素直に寄り添えた朝。こうやって親はすこしずつ老いていくんだろうか。
まだまだ負けてられないね、でもこれは嬉しいことなんだよね。そんな気持ちを確認し合う父ちゃんと母ちゃんが二人。
今週末は晴れるかな。将棋で負けなら、野球で挽回だ! ダンナの気分は今、そんなところでしょうか…少々センチなダンナに変わって、私が大声でここは一発、はりきるしかない。
父ちゃん、がんばれ。またまだ、負けるなよ。今度の土日はホームランかっ飛ばして、ひゃっほうだぜ♪