母から電話があった。夕飯時の忙しい時間帯に『元気にしているか?』という、ただそれだけの電話。先日、我が家に母が訪れたとき、何度もワタシが『疲れた』と口にしていたのが気がかりだと言う。
ちょっと待って。大きな病気を抱えているのは母のほうだ。そんな母に、心配をかけたこと自体、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。確かにその日は、仕事で少し気がめいることがあって、なんとなく気持ちが晴れず、愚痴がわりに『疲れた、疲れた』とぶつくさ言っていたのだ。
ごめんなさい。 そんなこんなで、母にとってワタシは【いつまでたっても気がかりな子ども】なんだと、当たり前のことに気づく。3人の子から『お母さん』といわれ、可愛らしさの微塵も感じさせない図々しさ満載のおばさんになった今でも、だ。
命ある限り、親は子どもの健康と幸せを願うんだなと思い至るしみじみした寒い夜。鏡に映ったお疲れモードの自分の顔をみて、思わずひとり言。 『まだまだ、老け込むには早くてよ。ビバ、母ちゃん! あんたはまだまだ娘だぞ。ひゃっほうだぜ♪』